絶えず違った表情を見せてくれる沖縄の美しい海と森。
そんな沖縄の自然を、やわらかい風にくるんだイメージでつくりました。
「Ryu Kyu Iro」には、自然の力強さと繊細さ、美しさがつつみこまれています。
沖縄には、「琉球ガラス」と呼ばれている吹きガラス工芸があります。明治時代にはじまり、戦後、駐留米軍が使用したコーラやビールの色付きガラス瓶を再生した際に、気泡や厚みも味わいのうちと考えられた素朴なデザインとして知られています。この「琉球ガラス」のかけらをあつめ、一度熱して溶かしてから板状にし、スクエアとサークルに切り取ってつくりました。溶け具合のセレンティピティにより、沖縄の海のような深いブルー、お日様の光を一新に浴びたグリーン、その2色が重なりあったミステリアスなマーブルと、一つひとつ全てが違う仕上がり。沸き立つ気泡がアクセントとなった商品もできました。また、商品の上半分には、沖縄のモイスチャーな空気感を感じられるようにブラスト加工をほどこしています。これにより、上下で透け感のニュアンスがことなり、見る角度によってより商品の美しさが際立ちます。
辰野 しずか | SHIZUKA TATSUNO
+st / プラスエスティー
1983年生まれ。英国のキングストン大学プロダクト&家具科を卒業後、デザイン事務所を経て、2011年「+st」を設立。家具、生活用品、ファッション小物のデザインを中心に、企画からディレクション、付随するグラフィックデザインなど様々な業務を手掛ける。2016年 ELLE DECOR日本版 「Young Japanese Design Talents」を受賞。
撮影:セソコ マサユキ、ララフィルム
衣装協力:ヌノモノワークス